Wednesday, October 1, 2008

カツラについて


periwig (ペリウィグ)と呼ばれるものです。

使われ始めたのは16世紀でしょうか。よく見るエリザベス一世の肖像画の赤毛は実はカツラです。彼女はおしゃれでした。

着用が一般的になり始めたのは17世紀初めから中頃でしょう。髪が薄くなって来た男性が、見た目を良くするために使い始めましたが、当時は今のような洗髪の習慣がなく、毛じらみが大変だったので、衛生的でもあり徐々に広まっていきました。

これを公式に宮廷の服装の一部と定めたのがフランスのルイ14世です。フランスは当時ヨーロッパ文化の中心でしたので、この「人前ではカツラ必須」は他の国へも一気に広まっていきます。

当時のカツラのスタイルは、ルイ14世やバッハの肖像画に見られるように、クルクル長くてボリュームのあるものでした。地毛は剃るか、短くするか。ロンドンのNational Portrait Galleryにたしか当時の男性の肖像画で、カツラ無し、短髪のものがあります。かなりプライベートな、人前には出さない姿なので、画家と親しかったとか、自室に飾るためのものだったたとか想像出来ます。

素材は人毛がもちろん一番ですが、それだとお値段もバカ高くなるので、貧乏だけれども貴族としての体面は保たなければならないような人の為に(笑?)馬やヤギの毛で作られたものもありました。
髪粉(パウダー)はスターチなどの粉が使われていたので、気を付けないと鼠の絶好のすみかになりました。

18世紀に入ると男性のスタイル(アマデウスは良い例です)はもっとシンプルになりますが、女性も使用し始めます。が、フランス革命後に廃止に向かいました。パウダー(ラベンダーなどの匂い付きや、ピンクやブルーの色付きもあった)を多用したりして、贅沢な生活の絶頂期のものでしたから。

化粧室のことを「パウダールーム」と呼ぶのは、このパウダーから来ています。

No comments: