18世紀、髪やカツラにパウダーを使い、白っぽく見せたことは今までにも書きましたが、今回はそのきっかけに付いてです。
使われ始めたのは1730年代でしょうか。
ルイ14世の死後、男
性のカツラが簡略化さ
れてゆき、より軽く着け易いものへと変わっていき、地毛とカツ
ラを両方使うスタイル
がこの頃に流行り始め
ました。
この絵の男性の前や横の
髪は地毛で、後ろは見
えませんが、よくある
結んだスタイルのカツ
ラになってるはずです
。日本髪のカツラでも
顔のまわりは地毛を使
う半カツラがあります
が、それと同じ感じと
でも言いますか。
これですと生え際が不自然でなく、確かに以前の長髪
のカツラように重たく
もなく着けやすかったの
ですが、カツラの髪の
色と自分の髪の色が一
致しないのが問題でし
て、それをごまかすた
めにパウダーが使われ
始めました。ですので
初めに使い始めたのは
男性です。
始めた人は分かりませ
んが、当時のヘアスタ
イリストの誰かが考え
ついたのかもしれませ
ん。カツラと地毛の境目を
目立たなくする方法と
して、有名なスタイリ
ストと宮廷の誰かとが
結託して始めれば間違
いなく流行したはずで
す。
女性も同時期にヘアピ
ースを使い、よりボリ
ュームのあるスタイル
を作るようになってい
きましたから、色の違
いをごまかすのには有
効だったはずです。19世紀に入ると、パウダーは廃れますが、女性のヘアピースは使われ続けます。その、時には違い過ぎる髪の色についての当時の記述もありますので、パウダーで白っぽくしてしまうのはとても良い方法だったと言えます。
もう一つ、この時代は
おしろいが流行りまし
た。女性はもちろんの
こと、男性も使い、日
焼けしない貴族的な肌
の色を作り出すのが流
行り、それに伴い、白
い肌に合うブロンドや
プラチナブロンドの髪
がもてはやされたので
す。それが白い粉を好
んだ理由でしょう。
さらに、当時は髪を洗
う習慣が無く、匂いも
かなりのものでした。
そこで髪粉にラベンダ
ーやオレンジ等の香料
を加えたり、パステル
カラーにしたり、様々
な工夫もされ始め、一時代を作り上げたわけです
。
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