Friday, August 7, 2009

カツラ(periwig)のその後

カツラに特別な思い入れがあるわけではないのですが、再度言及してみたいと思います。

以前述べましたが、カツラはフランスの王政廃絶とともに実質的に無くなりました。カツラは大変な贅沢品で、貴族の象徴のようなものでしたので、フランス貴族が着用したがらなくなり、加えて廃止論が高まり、国によっては(イギリスなど)税金をかけたりしたからです。しかしまったく無くなってしまったわけではなく、その後19世紀から続く伝統として、法廷などでは今でも使われてます。1823年まではイギリスとアイルランドの国教会主教も着用していました。法廷や教会はカツラ税の心配はいらなかったんでしょうね(笑)

フランス革命まではカツラは、貴族の身だしなみであると共に、特権階級の社会的な身分の象徴でもありました。それが法廷という特殊な場で、法を司るものの地位を示す道具として生き残って行ったのです。カツラに黒い法服の裁判官その他が前にデンと構えていると、向かい合う人々の気分はやはり改まるものではないでしょうか。とは言うものの、カツラかぶってふんぞり返ってもったいぶった姿は面白おかしくもあり、ほぼ必然的に、「お偉方」を意味する茶化した言葉(bigwig)もあります。

今でも法廷でカツラを使う国はUK、その連邦国、それに返還後の香港でも使ってます。オーストラリアの一部、ニュージーランドは廃止しましたが、現在の裁判官のカツラは18世紀中頃のスタイルを模したもので、その頃の「カツラは正装の一部」の意識は未だに続いているわけですね。

picture above portrait of Colbert villacerf, 1685

No comments: