版画や印刷の勉強はもちろんしましたが、師に付いた版画家ユベール=フランソワ・グラヴロ(Hubert Francois Gravelot)は絵描き、デザイナーとしても名の売れたフランス人でした。この人から様々な事を学び取ります。 グラヴロはイギリスに渡る前はフランソワ・ブーシェの弟子であったこともあり、ロンドンに当時のフランス・ロココのスタイルを伝え、流行させたことで知られてます。
さて日本で素描のことをデッサン(仏 dessin)と呼ぶのは、私はいつも面白いなと思うのですが、それはともかくゲインズバラの10代後半の頃のデッサンがあります。
はっきり言ってそれほど上手くはなく、形の全体をきちんと捉える事が出来てません。 師のグラヴロから教わる他に、一応画学校にも通って勉強しましたが、当時のヨーロッパ大陸に比べると芸術面では遅れをとっていたイギリスです。あまりきちんとした指導は受けなかったようです。それでもこの頃からドレスやコートなどの布の質感の違いには注意を払っており、後のスタイルを彷彿とさせるものがあります。

イギリス人が人間よりも動物との方がコミュニケーションの取り方が上手い(犬や猫に自分の思うことを自由に話しても文句言いませんし 笑)のはご存知の方もいらっしゃると思いますが、ゲインズバラも例外ではありませんでした。
結婚後の事ですが、妻のマーガレットと喧嘩した後の仲直りには、フォックスとトリストラムと名付けて可愛がっていた二匹の犬に仲直りのメッセージを渡してもらったりしたとのことです。
Picture above : Bumper, Bull-Terrier Owned by Mrs. Henry Hill, c.1745
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